昔の彼女がAV女優に まとめ
牝性 ―ペルソナ―お見合い結婚をして一年。
私には、あなたに秘密にしているもう一つの顔があります…。
貴方に不満はありません。
生活にだって満足しています。
けれど、私のカラダだけは、本当は満足できていなかったのかもしれません…。
前もって言っておくが、全くエロくもない内容です。
それでも誰かに言いたくて仕方がないんで聞いて下さい。
でも勝手な言い分ですが、誰なのかとかは勘弁して下さい。
2週間ちょい前、昼過ぎに友達から電話がありました。
お互いサラリーマンなので、昼間に電話なんて滅多にないです。
だから何かあったのかと思い電話に出ると、友達が言ったんです。
「お前が付き合ってた愛ちゃんていただろ?あの子AV出てるぞ!」
愛ってのはもちろん仮名です。
「は?何言ってんだ?お前」
「マジマジ!昨日レンタルに行ったらあったんだよ」
「それってただ似てるだけだろ?」
「俺もそう思ったんだけど、思わず借りちゃってさ。見たらマジだった」
「・・・マジで?」
「マジマジ。喋り方も声もあのまんまだったし」
「マジかよ・・」
「まだ借りてるから、今夜ウチに来いよ」
「あぁ〜・・・分かったよ。何時頃がいい?」
友達はかなり興奮してたけど、俺は半信半疑だった。
だって3年も付き合ってた元彼女がAV女優にって話だもん。
ぜんぜん信じられなかった。
ショックっていうか早く確認したくて、午後の仕事は手につかなかった。
やっと仕事が終わって急いで友達の家に向かった。
友達は結婚してたから、行ったら当然奥さんが出迎えてくれた。
早くDVDを見たかったけど、しばし世間話をしなきゃいけなかった。
頃合いを見て友達がPCがある部屋に連れて行ってくれた。
「マジでショック受けるなよ?」
「いいから早く見せてくれよ」
メニューが再生された瞬間、そっこうで元彼女だって分かった。
動揺しちゃって手が震えてたけど、恐る恐るチャプター1を見た。
インタビューにケラケラ馴染みのある笑い声で答えてた。
衣装は白いタイトスカートのスーツ姿に黒い網タイ。
大きめのロットで巻いたような巻き髪に少し派手目なメイク。
どう見ても愛だった。
愛は隣に座ってきた男優に体を触られ始め、俺にやったように濃厚なキスをしてた。
男優の舌にしゃぶりつき、首に手を回していた。
フラッシュバックのように昔が鮮明に思い出された。
友達は全部見たと思うけど、やっぱり裸は見せたくない気持ちになった。
だからチャプター1だけで見るのをやめた。
しばらくは溜息しか出なかった。
友達も気を使ってくれて、何も言わなかった。
部屋を出ていった友達はビールを持って来て俺に渡した。
「なぁ・・愛ちゃんどうしちゃったんだ?」
「あぁ〜・・・・・・なんだろうね。わかんねぇ」
「AVなんかに出るような子じゃなかっただろ?」
「じゃなかったら付き合ってねぇ〜よ、3年も」
「だよな。だって地元に帰るからって別れたんじゃね〜のか?」
「うん・・・・・・引っ越しも手伝ったしな」
愛と俺は互いに都内で一人暮らしをしてた。
でも地元に帰らなきゃっていう理由で、最終的に別れる事になった。
俺は遠距離でも構わないって言ったんだけど、愛が無理だって言ってて。
最後は引っ越しの日で、二人で荷造りとかやって別れた。
あれから1年もしないうちに、こんな形で愛と出会うとは思ってもいなかった。
愛はどっちかっていうと人見知りなほうだった。
教えてくれた友達にも、初めの頃は目も合わせなかったぐらい。
積極的に男と話なんてできるようなタイプじゃなかった。
だから彼氏でも無い男のチンコを舐めたりセックスしたりだなんて
もうぜんぜん信じられなかった。
「なぁ〜?愛ちゃんに連絡してみたら?」
「いや・・お互いに「いっせ〜のせ!」で削除しちゃったんだよ」
「じゃ〜愛ちゃんもお前の連絡先知らねぇ〜のか」
「たぶん。いまどき番号なんて覚えてないだろ」
ビールを2本飲んで、呆然としたまま家路についた。
電車に乗って考えた末、俺は近所のレンタルビデオ店に行って、愛のDVDを探した。
愛は新人なのか教えてもらった1枚しか無かった。
そんで俺はそれを借りた。
家でビールを飲みながら全部見た。
まず1人の男優とセックスして顔射。
次は場面が変わって、高級ホテルっぽい部屋で3P。
2人に顔射されて「気持ち良かったです」で終了。
恥ずかしながら見ながら勃起してた。
でもこれでシコる気にはならなかった。
安心した点が1つあった。
それは、俺としてても気が乗らない時の表情をチラホラ見せてた事。
俺がしたくて結局入れるんだけど、我慢はしてても時々見せてた「イヤだ」っていう顔。
初めの男優に対しても、3Pをした男優たちにも、チラホラそんな表情を見せてた。
多分俺だから分かる表情なんだと思う。
もう出ちゃったものは仕方がないんだけど、今だにショックはショックです。
でもなんか書いてたら、少しだけ落ち着いてもきました。
全然エロくもない話に付き合ってくれて有難う!
〜〜〜管理人より〜〜〜
ここで話が終わると思ったが、掲示板を見ていた人達からの応援コメントが続く。
稀に見るほどコメントが伸びていました。
そのログを保存してなかったのを今でも悔みます。
コメントに元気付けられ、彼はまた続きを書いてくれました。
〜〜〜管理人より〜〜〜
みなさん、たくさんのコメントを有難うです。
こんなにも反響というか、コメントがあるとは思いませんでした。
書いた通り、どうにか愛に連絡できないか頑張ってみました。
数日書き込みできなかったのは、ネット環境の無い場所にいたからです。
昨日までの話を報告します。
まず愛との接点のあった人を探しました。
AVに出てるのを知らない人だったら藪蛇になりそうだったんで
一応慎重に人を選んで連絡を入れてみました。
「愛が置いていった洋服を送りたい」という理由を作って。
2人目に電話した人に、もしかしたら分かるかもって言われました。
それで折り返しの電話を待つ事3時間半。
ついに愛の実家の住所と電話番号が分かりました。
聞いてみると、愛は実家で父親の介護をしているらしい。
俺は次の日の午後から有給をもらって、愛の実家に向かった。
二日分の着替えをバッグに入れて、夕方の新幹線に乗りました。
夜に突然行ったら家族に失礼だと思って、一番近い大きな駅の近くに泊まりました。
次の日の朝レンタカーを借りて、ナビに住所を入れて向かいました。
到着したのは11時半過ぎぐらい。
畑か田んぼが分からないけどたくさんあって、ポツンポツンと家がある地域。
一軒一軒が都内とは違って大きくて、ちょっとビックリした。
愛の家も2Mぐらいの塀に囲まれたデカい家。
門があって、どこにインターフォンがあるのか分からなかった。
どう考えてもこれじゃ不審者だと思って、とりあえず門の近くに車を停めて待機した。
路駐してるだけでも十分怪しい状況だったが、俺には他の案が思い浮かばなかった。
嫌な予感が的中した。
近所のおばちゃんなのか、やけに車をジロジロ見てくる人がいる。
おばちゃんは行ったり来たりして車を見てて、遂には愛の家に入っていった。
こりゃ〜ヤバいと思って車から出て待っていると、おばちゃん2人が門から出現。
「どうもこんにちは。私○○と申しましまして、愛さんの友人です」
「えっ?愛の?どちらの○○さんですか?」
「都内に住んでいまして。昔愛さんに借りた物を、出張で近くに来たのでついでに返そうかと思いまして」
「あら、そうなの。いやだわ・・変な人がいるって言うか〜ねぇ〜」
「どこにインターフォンがあるのか分からなくて、スミマセン、ご迷惑をおかけして」
かなり動揺してたと思う。
なんせどう考えても怪しいわけだし。
「愛さんはご在宅でしょうか?○○が来てると言えば分かると思うのですが」
「あら、そうお?ちょっと待ってて下さいね」
そう言って近所のおばちゃんらしき人を残して、愛の母親らしき人が家に戻っていった。
出てくるまでの数分が長かった。
おばちゃんはジロジロ見てくるし、喋ることなんて何も無いわけだし。
「ヒロちゃん・・・」
数分してとつぜん愛が門から出てきた。
ジーパンにTシャツのラフな服装で、髪型もメイクもAVの時とは全然違ってた。
「久し振り。近くに来たから寄ってみたんだ。ゴメンね、突然来ちゃって」
「ううん、大丈夫だよ。でもビックリしたぁ〜。お母さんからヒロちゃんの名前聞くとは思ってなかったし」
「あはは。怪しい人だと思われちゃってさ、まぁ〜実際これじゃ怪しいと思うけど」
「愛?入ってもらったら?」
お母さんが後ろで言った。
愛と話している時、後ろには二人のおばさんがいる状況。
俺をじっと見てて、かなり警戒してたみたい。
でも愛が話し出して、その警戒が和らいだって感じで。
「ううん、いい、ちょっとお茶飲んでくる、ヒロちゃんちょっと待っててね」
そう言って愛が家に戻っていった。
「それじゃ・・・」って感じで、おばさん2人も家に入っていった。
ここでやっと「ふぅ〜〜〜〜」と深呼吸。
愛の事よりおばちゃんに疲れた(笑)
すぐに愛が出てきて、車に乗って国道沿いにあるファミレスに行った。
車の中で愛は何も話さず、かなり重い空気だった。
無言でコーヒーをすすっていたが、おもむろに聞いてみた。
「なぁ・・どうしちゃったんだ?」
「えっ?何が??」
「分かってるだろ?なんであんな事・・」
「あ・・・・・・うん・・・・・・」
「○○が見つけて教えてくれたんだ。ホントどうしたんだよ」
「うん・・・・・・・・・・・」
俺は愛の言葉を待った。
愛は下を向いて、ただ無言を貫いてた。
でも待った。
「実はね・・・・・・・・お父さんが事故っちゃってね・・・・・」
「なんか介護してるって聞いたよ」
うん・・・・・・それでお金がね・・・・・・」
「なんでだよ。保険とかあるんじゃね〜の?」
「うん・・・」
話をまとめると、会社のトラックで事故ったらしい。
だけどその会社が対人保険に入って無かったとかなんとか。
多分・・とか、確か・・とか、彼女自身もよく分かって無かった。
巻き添えをくった車に乗ってた人が怪我したらしく、その慰謝料を会社と折半したらしい。
折半したらクビにしないという約束で。
なんだか無茶苦茶な話だけど、田舎で仕事もないから仕方が無かったって言ってた。
しかも最悪な事に、その件でストレスが溜まったのか、事故処理が終わってスグにお父さんが脳梗塞で倒れたって。
昼間だったからすぐ病院に運ばれて助かったらしいけど、まだ1人じゃ起き上がれないんだって。
「それで介護するから生活費が無くて?」
「うう〜ん、そうじゃなくて、折半する時にお金が足りなくて」
愛にはお兄ちゃんが二人いたが、足りない分を愛だけで負担したらしい。
その足りない分だけの為に、1回だけAVに出たとか。
本当は風俗で働こうか迷ったらしい。
でも何人も相手にしなきゃいけないし、自分には出来ないと。
それで1日で終わるからと言われて、AVを決断したって。
普通そんな理由じゃAVなんかに出ないでしょ。
俺の頭には?????の連続。
初めは顔にモザイク入れる予定だったらしい。
でもそれだけで報酬が全然違って、それじゃ足りなかったんだってさ。
「それじゃ、もう出ないって事だよな?」
「うん、もう出ない」
「生活費はどうしてるんだ?」
「夜スナックで働いてるから、それは大丈夫」
「お前・・接客できるのか?」
「うん出来るよ。だって近所の昔から知ってる人ばっかりの店だから」
「そっかぁ・・・」
「だからアタシでも大丈夫なの」
愛はテーブルに両肘を付けながら、ニコニコして俺に言った。
昔と変わらないような、でも確実に変わった彼女がいた。
その顔を見てたら涙が出そうになった。
「なんで俺に言わなかったんだよ、あんなのに出るぐらいなら電話してこいよ」
「う〜ん・・・だって連絡先分からなかったし」
「だったら俺の家に来たらいいだろ!」
「そ〜だけど・・・・・心配するかなって・・・」
「あんなのに出た方が心配するに決まってんだろ」
言ってたらやっぱり涙が出てきた。
3年間付き合ってて、結局信頼関係は築けてなかったんだって思っちゃって。
あの3年間は何だったんだろって思いながら、涙が止まらなかった。
だって普通なら、AVに出るより俺に借りに来るでしょ。
もしくは友達に借りるとか。
まぁ、後で聞いた話じゃ、友達みんなに頼んだんだってさ。
でも田舎暮らしで誰も貯金なんてしてなかったみたいで、誰も貸してくれなかったって。
「ゴメンね、心配させちゃって・・・」
「いや・・・いいんだけどさ」
「本当にごめんなさい」
その後、愛は実家の話をしてくれた。
実は俺と別れる理由ってのが、実家の両親だったみたい。
2人の兄貴は疎遠になってて、60過ぎた両親の面倒をみなきゃって。
両親は大丈夫だって言ってたみたいだけど。
地元で結婚して両親をみなきゃだから、俺を巻きこめないと思ったんだってさ。
ぶっちゃけ、AVに出ちゃった子と、またやり直す自信はなかった。
そんなもん関係ねぇー!って言えるほどの男気は無かった。
たぶん愛もそれは望んでなかったんだと思う。
これから先いっしょになっても、ずっとその追い目に苦しむだろうし。
2時間ぐらいファミレスにいて、近くのスーパーで買い物をした。
俺は愛の両親にケーキを買って、二人で家に戻った。
今度は快く迎えてくれて、その日の夕飯を御馳走になって帰った。
「ホテルに忘れ物置いてきちゃったから、明日朝持ってくるわ」
そう言ってホテルに戻った。
戻ってから3時間ぐらいかけて、俺は愛への手紙を書いた。
そしてその手紙と銀行でおろした400万を、愛に届けた。
余談だけど、400万をスグにおろせなくてビックリした(笑)
田舎だったからかな?
書類を入れるブリーフケースにお金と手紙を入れた。
中を見ようとするのを止めて、最後に握手をした。
もうこれで会う事もないって思うと、また涙がでそうだった。
このお金は、愛との将来の為に貯めたお金です。
だから愛以外の女性に使うと失礼だから、全部愛にあげる。
俺には他にも貯金があるから、心配は無用です。
それじゃ元気で。
3年ちょっとの間、楽しい夢をありがとう。
これが手紙の中身です。
いろいろ悩んだけど、けっきょくこんな事ぐらいしか書けなかった。
これがここ3日間の出来事でした。
みなさんからの温かい励ましやコメントで、自分じゃ信じられない行動ができました。
今ではすっきりした気分です。
コメントでも指摘されましたが、彼女1人だけのDVDではありません。
素人・・・っていうタイプのです。
それから冷静になって思うけど、やっぱり頭が??な子だったのかも。
未だになんでAVなんだよ!って思いますから。
みなさん、本当に有難う御座いました。
心より感謝します。
終わり。
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