15歳の姪っ子と
自分好みのパートナーに出会えていますか?
男らしさ、女らしさを演じて疲れてはいませんか?
もう自分を偽る必要はありません。
もう10年近く前の話です。
私は当時41歳。
妻とは早くに離婚し、もう5年以上も独身生活を続けていた私は、体を壊し会社を退職し、しばらく失業保険で食いつないでいました。
結婚時代に借りていた3LDKのマンションに住んでいましたが、収入が途絶え家賃が払えなくなったため、1DKの小汚い和室アパートに住むようになりました。
会社を辞めてからは健康状態もよくなったものの、なかなか再就職先もみつからないまま、失業保険の給付も途絶え、ローソンでバイトをしながらかろうじて生活をしていました。
そんなある日、職場で購入した弁当とビールをぶら下げて帰宅途中、東京にいる弟から電話がかかってきました。
「もしもし?あ、兄ちゃん?」
「なんだ?珍しいじゃないか。忙しい東京のビジネスマンがなんの用だ?」
「実は俺、福岡に2ヶ月ほど出張中なんだよ。さっき嫁から電話がかかってきて、長女の真奈美が家出しちゃったっていうんだ・・・嫁が電話しても携帯がつながらないらしくて」
「ああ?真奈美ちゃんが?俺も真奈美ちゃんとは小さいとき以来会ってないな。いくつになったんだっけ?」
「中3だよ。15歳。そんなことより頼みがあるんだ」
どうやら話を聞くと、弟の嫁と真奈美ちゃんは犬猿の仲で、ことあるごとに母娘ケンカが耐えなかったらしく、仲裁役の弟、つまりお父さんがいないためにエスカレートして取っ組み合いの喧嘩になり、真奈美ちゃんは家を飛び出したらしいのです。
「で、真奈美ちゃんはどこにいるんだ?警察に届けたのか?」
「いや、嫁からの電話の後、俺が真奈美に電話したら、すぐ繋がったんだ。それで居場所はだいたいわかってるんだけど・・・」
「うん?それで?」
「真奈美は、しばらく家に帰りたくないっていうんだ。かといって俺も福岡だし・・・」
「まわりくどいなあ・・・俺になんかやれっていうのか?俺にできることがあるならさっさと言えよ」
「うん、済まないけど、兄ちゃん一人暮らしだろ?ほとぼりが覚めるまで真奈美を泊めてやってくれないか?2〜3日もすれば落ち着くと思うから」
「それはかまわんが、真奈美は埼玉に帰ってきてるのか?」
「ああ、今は小○校時代の友だちんちにいるらしいんだけど、その子んちも複雑な家庭らしくて、そこに泊めてもらうのは無理らしいんだ」
「でも俺んちから東京の学校には通うのは無理だぞ」
「今は夏休みだから大丈夫。頼めるかな?兄ちゃんちの住所、詳しく教えてくれないか?」
まだ真奈美が幼かった頃の記憶しかない私は、やっかいごとがひとつ転がり込んできたなあ、くらいの感覚しかありませんでした。
なんせこの狭いボロアパート、部屋はひとつしかないし、俺が2〜3日ホテルにでも泊まるか、とか、どっちにしろ大掃除しないといけないなとか、頭のなかでは「めんどくせえなあ」という思いしかありませんでした。
その日は18時すぎに帰宅し、掃除を終えて時計を見るともう21時前になっていました。
そしてそれと同時に「ピンポーン」とチャイムが。
「ごめんください、真奈美です」
と、ドアの向こうから真奈美の声が聞こえてきました。
(お、来たか)
ガチャ
「おお、真奈美ちゃんか!ずいぶん大きくなったなあ・・・弟から話は聞いたぞ、とりあえず中に入りな」
・・・・・ん?
んん?
つづく
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